県花 | フキノトウ | |
弥生三月、まもなく緑の季節がやってくる。例年以上に待ちわびているのは僕だけではないと思う。そんな早春の時期、身近で見られる植物のひとつにフキノトウ(=フキの花茎)がある。秋田県の花にもなっている、別名バッケである。バッケの語源もおもしろいのだが、とても紙面に書ける内容ではないので割愛する。 さて、フキノトウにオスとメスがあることをご存知だろうか。また、フキとフキノトウは地下でつながっていることは・・・、今回はそんな話を。 フキノトウの群落を観察すると白い花をつけているものと淡黄色花をつけているものがある。てっぺんにまとまって咲くので頭状花というのだが白花の頭状花はメス、淡黄色の頭状花はオスだ。虫めがねで更によく見ると花びらの形もまったく違う。そう、フキノトウは雌雄異株なのだ。雌株に対し雄株の数が多く花粉を飛ばした後は枯れてしまう。受粉後の雌株は茎を更に伸ばしタンポポと同じ方法で種子を拡散する。 *左が雄花(♂)、右が雌花(♀) フキノトウのサイクルは、春に子孫をつくって、夏場はフキと呼ばれる大きなハート型の葉身で光合成をし、地下の根茎に養分を貯め太らせ越年する。この根茎から地中を走る枝(地下茎)を出して、盛んに増え、この地下茎の先に花茎(=フキノトウ)を出す。 つまり、栄養を取って体力をつけるのがフキの担当で子孫を増やすのはフキノトウが担当しているということだ。 MEMO フキ〜キク科フキ属の多年草 ・学名Petasites japonicusというように日本のフキは日本特産種 ・頭状花はキク科の特徴だが雌雄異株はキク科としてはめずらしい。 |