カヤ ススキ

まもなく初雪という季節になった。見渡せば花の季節は終わり、ススキの穂が寂しく揺れている。和名はすくすくと立つ木(草)が語源と思われる。その穂を観察すると、とても軽い。これは、受粉できず種子の入っていない花なのだ。花といっても花びらのない風媒花だが。風に乗り遠くまで行ける種子は3割ほどで、残りは枯れススキとして寒さを誘う。本体は株で増えるから子孫が途絶えることはない。ススキの葉で手を切った経験があると思う。触ってもザラザラと痛い。これはガラスの主成分と同じ珪酸体(けいさんたい)が入っているからだ。また、7月〜9月頃株元に「ナンバンギセル」というピンクでユニークな形の寄生植物を探すのも面白い。

さて、薄(ススキ)・荻(オギ)・葦(アシ)と区別のつき難い仲間がある。総称して茅(カヤ)とも言われるグループだ。アシはヨシとも言うから益々ややこしい。分かりやすい特徴としては、下記の通りだ。

ノギ
ススキ〜主に草原に育つ。茎は叢生して株をつくる。小穂にノギがある。花時でも下部の葉はある。
オギ〜主に湿地に育つ。地下茎で伸び、節から茎を単生する。株立ちはしない。花時は下部の葉は枯れ落ちている。
アシ〜主に沼地に育つ。地下茎で伸び、葉は幅広。