縁起植物 ユズリハ
ユズリハは、正月にめでたい木として飾りによく用いられます。ユズリハの葉は3年越しで新葉が開いた後、先葉が垂れ下がります。この様子を親から子へ、子から孫に身代をゆずる=子孫繁栄と縁起をかついだものです。

歳時記に記載される「枕草子」には12月晦日の魂祭り(たままつり)で、亡き人への供物の下にユズリハを敷く風習が描かれています。平安時代には、お盆と同じように大晦日にも祖霊が帰ってくるとされていました。

正月に固いものを食べて歯の根を固め、健康増進を願う「歯固め」の行事でも、食物(大根、押鮎、鏡餅など7〜8種)の下に敷いた、と伝えられています。 【文:高水典夫 写真:いがりまさし】