林の中を歩いていて、木の枝や草の茎に泡の塊を見つけたことはないだろうか。 小さい頃はカラスが唾液(横手ではベロ)を付けたのだと思っていた。英語でも「つばき虫」、泡のことを「カッコーのつばき」と言う。洋の東西を問わない。 あれはアワフキムシの幼虫のすみ家だった。植物の液を吸って生活している、セミの仲間だ。泡の中は心地よいリビングで天敵であるクモに襲われることもない。成虫は小さなセミのような姿ではねて歩く。