ゾウムシをご存知だろうか。森を散策していて一般的に見られる昆虫だ。
名前の通り象のような長い鼻(吻)をしている。動きが鈍く、あいきょうのある姿から子供たちに見つけられると浦島太郎のカメのように遊ばれている。木に穴をあけるので林業家には嫌われ、被害を防ぐべく研究されている。
聞いたところによると、技術者たちは試験体を集めるためにコップを土中に埋め込みビールを注ぐ。二〜三日するとコップの中はゾウムシでいっぱいになっている。中でも黒ビールがすこぶるお好みらしい。
あるとき虫にビールはもったいないと考え、水で薄めたそうだ。効果はテキメン、捕獲数は激減した。これでゾウムシのビール好きは実証された。(そもそも、ビールを使おうと考えた技術者はなんて偉いのだろう。)
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